IT業界の現状

インターネットやスマートフォンなどの身近なものから、国や企業を支える大規模なシステムまで、多くの場所で活躍している技術です。
そんなIT技術を駆使してサービスを担っている業界が「IT業界」です。
IT業界は、技術やサービスの進化が著しく、さらに多くの業種や職種が絡み合っているため、非常に複雑化しています。
現在のIT業界は、主に「ハードウェア業界」、「ソフトウェア業界」、「インターネット・Web業界」、「情報処理サービス(SI)業界」の4つに分類できます。
ここでは、「IT業界のことがよく分からない」という方にも読んでいただけるよう、上記の4つの業界を簡潔に解説していきます。
目次
IT業界の市場規模は拡大傾向!しかし現状は人材不足
IT業界は次々と最新技術が生み出され、今後も市場規模の拡大が望まれます。
しかし、順調そうに見えるIT業界にも、『人材不足』という大きな問題があります。
すでに深刻な人材不足に陥っており、2020年は約37万人、2030年には約59~79万人もの人材不足が生じると予想されています。
この原因は大きく分けて二つあります。
- 産業人口自体が2019年をピークに減少すること
- IT産業の成長により人材ニーズが今後ますます増えること
つまり、人材供給が追いつかないほど需要のある業界であると言えるのです。
IT業界の分類
冒頭でも述べたように、IT業界は「ハードウェア業界」、「ソフトウェア業界」、「インターネット・Web業界」、「情報処理サービス(SI)業界」の4つに分類できます。
それぞれの業務内容は異なり、人材不足の面から見ても業界ごとに特徴があります。
ハードウェア業界
ハードウェアとは「機械、装置、設備」のことを指し、コンピュータを構成している電子回路や周辺機器など(キーボード、マウス、モニター、プリンター、ゲーム機etc)の物理的実体のあるものを扱う業界です。
代表的な職種
- コントロールプログラマ(組込系)
- 組込系エンジニア
- ハードウェアエンジニア
ハードウェア業界の難易度:★★★
IT業界の中でも特に専門知識が求められる分野のため、文系や未経験からの就職は難しいのが現状です。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、基本ソフトウェアのOSやアプリケーションソフトウェアなどの開発のみならず、様々な職種の技術者が活躍する業界です。
パッケージソフトウェアからインフラを担うシステム構築まで、幅広いシステムを開発・運用しています。
代表的な職種
- アプリケーションプログラマ(業務系)
- システムエンジニア(SE)
- ネットワークエンジニア
ソフトウェア業界の難易度:★★★
未経験からソフトウェア業界に就職するには、他の業界で技術を身に着け、ある程度のレベルに達してから転職するという方も多い印象です。
ハードウェア同様、ソフトウェアの開発には資本力が必要になるため、大手企業が多い傾向にあります。
インターネット・Web業界
インターネット・Web業界は、Webサイト制作、ネットワーク構築、インターネット広告など、「企業向けのサービスを提供する企業(BtoB)」と、SNS、ポータルサイト、ショッピングサイトなどの「個人向けのサービスを提供する企業(BtoC)」に分けることができます。
代表的な職種
- Webデザイナー
- Webクリエイター
インターネット・Web業界の難易度:★★
IT業界の中で最も人気があり、女性の比率が多い分野です。
さらに未経験でも勉強すればできる仕事が多いため、入りやすいという特徴があります。
企業から中小企業まで幅広く存在します。
情報処理サービス(SI)業界
様々な業界や企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを一貫して請け負う業界です。
分かりやすく言うと、企業が抱える課題や悩みをITの力(システム)で解決していく業界です。
例として、銀行のATM、店舗のレジ、佐川急便の流通システムなど、生活に密着しているあらゆるモノが挙げられます。つ
課題解決のためのシステムだけでなく、時代のニーズを先取りしたシステム開発も行われています。
代表的な職種
- プログラマ(PG)
- システムエンジニア(SE)
- プロジェクトリーダー(PL)
- プロジェクトマネージャー(PM)
情報処理サービス(SI)業界の難易度:★
SI業界は深刻な人材不足に陥っているため、文系や未経験者でも比較的入りやすい状態にあります。
IT業界の中でも圧倒的に「需要」や「社会への貢献度」が高い業界であるため、人気業界となるでしょう。
SI業界のメリットは、人材を育てるための研修制度や教育体制が充実している点です。
基本的に資本元が大手企業なので、給与が安定かつ高収入です。
技術を身に着けることができれば、どこの現場でも活躍できます。文系や未経験の方に、最もおすすめの業界と言えるでしょう。
業界全体の市況と特徴、将来性は?
IT業界の現在の市況は?
市況はと言うと、「好調」です!
日本経済が回復傾向にあるなか、企業はIT投資を活発化させ、リーマン・ショック時に凍結された大規模プロジェクトの再稼働も進んでいます。
中でも金融系と製造系の好調ぶりが顕著で、国内外の基幹システムの刷新・構築が軒並み稼働中です。
IT業界の特徴は?
大手SIerが中心となってクライアントから直請案件(プライム案件)を受注し、中小規模のSIerが各工程を請け負うというのがIT業界の主な構図です。
ただ、昨今は2次請け・3次請けのSIerも利益率の高いプライム案件の獲得に乗り出しています。
また、コンサルティングファームもIT業界のキープレイヤーとして企業のIT戦略を企画・開発・推進し、実は監査法人においても会計システムの監査などでITエンジニアが活躍しています。
IT業界の見通しは?
今後もIT業界の好調は継続すると見ています。
大規模なプロジェクトは今後も長期スパンで動き、公共系インフラシステムの整備も更に活発化することが期待されます。
職種ではプログラマやSE、コンサルSEなどのエンジニア職の募集が中心ですが、営業などの非エンジニア職種も求められており、IT業界全体の求人数は2012年から年々150%の増加を続けています。
実際にIT業界に転職を果たしているのは、25〜35歳くらいの若手やプレイングマネージャー層が多いです。
二次請けから一次請け、中小企業から大手への転職を目指すなどステップアップのチャンスも豊富。
大切なのは、企業の求める人材像を読み取って、ご自身のPRポイントを伝えること。
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